資格試験の独学による勉強の始め方①(勉強ツール、出題範囲を知る方法、過去問の使い方など)
このページは、法律の勉強の全くの初心者向けの記事となります。
資格試験にはよく法律の問題が出題されますが、どのように勉強を始めればよいのか、戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
当サイトは「独学」がメインテーマの一つですので、どのように独学による勉強を始めていくのかという点について、私自身が行っている独学方法や資格試験の出題範囲を知る方法、過去問の使い方等について説明してみたいと思います。
独学のツール
・パソコン
・スマホ
・インターネット
・市販の参考書など
まず、勉強に使う「ツール」についてです。
「わからないことはネットで調べてみる」ということは誰もが当たり前にやっているでしょう(AIに聞いたりしているかもしれませんが)。勉強でも基本的に同じです。
普段からネットを使う人がほとんどでしょうから、当然パソコン・スマホを使用しているとは思いますが、「法律の勉強」という点から考えると多少疑問に感じるかもしれない点についてお話しします。
六法全書は必要か?
法律の勉強といえば「六法全書」を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。六法全書を持ってないとまずいかな?と思われるかもしれませんが、ネット上の「e-Gov法令検索」という電子政府サイトにほとんどの法律の条文があります。(※他にも法律の条文をまとめたサイトはあります。)
好みの問題もあるかもしれませんが、私は法律の条文は全て「e-Gov」で確認しています。
普段、法律を確認したり勉強をする機会のない人だと、ネットに法律の条文があるということに意外と気づかなかったりするんですよね。ブックマークしておけば、どこでもすぐにネットで確認できるので便利です。
※「各資格試験用の六法全書」というものもあるようです。また、「逐条解説」という、条ごとに解説がついている書籍については、持っていれば便利かな?とは思っています。
勉強にノートは必要か?
学校の授業や講義を受ける場合、先生の話を聞きながらノートに書き込んだりまとめたりすることがあると思います。
独学では、基本的にノートへの「記録」は不要と考えています。勉強の記録はPC等でファイルとして記録しておきます。
実は私は最初に勉強を始めたときにしばらくノートに書いていました。
なぜか「勉強=ノートに手書きする」という固定観念があったためです。「手を動かして体で覚える」的なことを考えていたのかもしれません。しかし、実際にノートで手書きをしてみたところ、様々な欠点に気が付きました。
・たくさん記録する場合に手が(かなり)疲れる。
・後から修正が基本的にできない。
・字が汚かったり薄かったりすると何を書いているのかわからなくなる。
これらは全て効率を悪くする大きな欠点と言っていいと思います。
一発できれいにまとめる能力でもあれば別ですが、法律の独学では、最初に解釈や理解を間違えていたり、後から追加情報を付け加えることが非常に多いので、ノートに記録をすると修正がとんでもないことになってしまいます。
致命的なのは「字が汚い、薄い」です。後から見返した時に何を書いているのかわからなくなるので、特にこういう人はノート手書きでの記録は避けたほうが良いでしょう。
※ただし、司法書士試験や行政書士試験の本番では「手書きでの記述問題」があるので、本番に向けて字や文章をきれいに書いたり、問題を解くための手書き練習等は必要になります。
勉強ファイルの記録の方法
パワーポイント等を使用 → 簡単な「表」や「図解」が手軽に作成できる。
私はパワーポイントを使用しています。法律を勉強するうえで、表にして整理したり、図解にしてわかりやすくすると効果的です。
一旦メモ書きするような場合は「メモ帳(ファイル)」でも十分です。
記録した文章等は、視覚的に見やすくするために色分けします。
例:原則は赤・緑など、例外は青
重要部分は赤字、黄色マーカー、太字など
法律の条文には「原則」と「例外」があるパターンが非常に多いです。それ以外にも重要部分が多すぎるので、いくつか自分なりにルールを決めて色分けをしたほうが後で見返すときにわかりやすいでしょう。
ファイル消失リスク対策
ファイルを間違って削除したり消失してしまったりしたら大変です。
もし長時間かけて作成した勉強の記録がなくなってしまったら、同じものを作り直すのに膨大な時間がかかってしまいますし、最悪、勉強のモチベーションを失ってしまうかもしれません。
そのようなリスク対策として「googleドライブ」等のクラウド、オンラインストレージサービスやUSBフラッシュメモリ等に定期的にバックアップはしておいたほうがいいでしょう。
どの法律を勉強すればよい?
各資格試験名でネット検索すれば「資格試験の実施機関」のWEBサイトが出ますので、サイト内で試験の出題範囲となっている法律科目を確認することができます。
<例> 行政書士試験
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
上記ページでの「試験科目と内容等」に掲載されている法令科目(憲法、行政法、民法等)について勉強が必要だということになります。
これが司法書士試験なら実施機関は「法務省」、宅建試験なら「一般社団法人 不動産適正取引推進機構」になります。
資格試験の過去問
過去に実施された数年分の試験問題(過去問)とその解答が、各資格試験の実施機関のウェブサイトに掲載されています。(※他にも過去問を掲載しているサイトがあります。)
この過去問を解いてみることによって、各試験でどのような内容が問われているかを知ることができます。
基本的な勉強の一つは、この過去問を繰り返し解くという方法になりますが、初めて解く過去問(まるまる1年分)は、実際の試験時間に合わせて最後まで解いてみることをお勧めします。これによって本番での時間配分を考えられるようになるからです。
何度も過去問を使うと答えを覚えてしまったりしますが、その場合は、各選択肢の何か正しくて何が間違っているのかの理由が説明できるようにします。
また、過去問を全て解いて一度でも解答を知ってしまうと本番直前に実力を試す方法がなくなってしまうため、1年分程度は直前まで残しておくのも一つの手です。(他に実力を試す方法として、各資格学校が行っている有料の模試を受けたり、市販の模試を購入するという手段はあります。)
資格試験の勉強で重要なこと
①集中する ②理解する ③記憶する
上記は、勉強するうえで大事な要素だと思います。勉強するには集中が大事ですし、自分が勉強していることの内容を理解することも重要でしょう。
独学の経験からいうと、この中でも最もきついのは「記憶する」ことであると思います。
その時は理解できていたはずなのにしばらくすると忘れている・・・理解できていた内容を覚えていない・・・独学しているとこのようなことが頻繁にあります。
理解したもののうち、過去問などで頻繁に使うものは知識として記憶されていきますが、そうでないものは時間がたつと覚えていられなくなります。
これは結局、復習を繰り返すしかありません。「説明できるようになったら知識になっている」といいますが、知識レベルまで到達するには反復練習が必要ですので、復習のサイクルを自分で構築することが重要となります。
語呂合わせを使う
記憶する、または記憶を呼び起こす助けとなるのが「語呂合わせ」です。資格学校や参考書等でも教わったりすることがあると思います。
<例> 清算人は、苦労人(9・6・2)で人気(任期)がない。※会社法・商業登記法関係
ただ、このようなきれいに印象に残る語呂合わせは、それほど多くないです。
しかし、私の経験上、例えば人にはちょっと言えない意味不明なものであっても「リズミカル」であったり「勢い」があったりするとそれなりに効果があります。ポイントは「自分で考える」ことです。
単に暗記が必要なものやどうしても記憶できないものには、無理矢理語呂合わせを考えてみる。これは独学においても非常に有効だと思います。
勉強を楽しむことが大事
最後に重要なのは「勉強を楽しむ」ということです。
私は「民法」はすぐに楽しんで勉強を始めることができましたが、それ以外の法律は長い間苦手意識を持ったり、あまり好きになれず勉強が進まなかったりしました。
しかしこれが不思議なもので、そういった法律でも少しずつでも理解できることが増えたり、問題が解けたりするようになるとだんだん楽しくなってもっと勉強を進めたい、理解できることを増やしたいとやる気が出てくるんですよね。
勉強を楽しむことができると、資格試験合格のためのモチベーションもUPします。楽しむためには、あまり焦らずに「自分のペース」を保つことも必要となるでしょう。
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