宅建試験の免除科目とは?出題内容の傾向・難易度と対策

2025年7月11日

この記事は、「宅建試験初心者の方」や「独学で宅建試験に挑戦してみようという方」、「宅建試験についてまだあまり学習の進んでいない方」向けの記事となります。

宅建試験の出題科目の中に「免除科目」というものがあるのですが、これが宅建試験においてかなり特殊な科目となっています。

免除科目とは

試験の一部(5問)が免除される「登録講習」は、宅地建物取引業に従事している方(従業者証明書(業法第48条第1項)をお持ちの方)のみ受講することができます。一般の方は受講できません。

一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 登録講習についてより引用

宅地建物取引業に従事している人は、「登録講習」(費用18,000円程度)を受けることにより、その修了試験合格後3年以内は宅建試験で5点免除のある試験を受けられます。

その際に通常の試験から免除される科目(5科目・5問)のことを「免除科目」と言います。

登録講習修了者45点満点+5点合格点は同じ!
一般受験者50点満点

合格点が仮に35点であった場合、登録講習修了者は30点で合格となります。5問全問正解扱いということですから、宅建業従事者の方にとっては非常に心強い制度といえます。

一方、一般受験者にしてみれば、普通に免除科目が試験に出ますので、本番で一生懸命考えて5問全問正解してやっと同列になれるということになります。

登録講習修了者の割合は一般受験者に比べれば少ない(約5万人・全体の約1/4)ですが、毎年15%程度となっている合格者全体のうちのいくらかはすでに登録講習修了者に持っていかれていると考えてよいでしょう。

「5点差」はかなり大きな差であり、ここで落とした分だけ他の問題でカバーしなければならない計算となります。一般受験者の方は事前に免除科目の学習・対策をしておくべきです。

免除科目の出題内容の傾向と対策

出題される「5問」の科目については、次のようにほぼ決まっています。※それぞれ試験の46~50問目に出題されます。

①住宅金融支援機構

②景品表示法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)

③需給統計

④土地の形質等

⑤建物の構造等

住宅金融支援機構

「住宅金融支援機構」とは、不動産購入等に関する融資等を行う独立行政法人です。(参考:独立行政法人住宅金融支援機構法

主にその住宅金融支援機構の業務内容について出題されます。過去問を解いて復習し、業務内容についてしっかり押さえていれば点数は取りやすい問題です。

景品表示法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)

「景品表示法」という法律そのものというより、主に宅建業での不動産売買等に関する広告の方法について違反になるかならないかが出題されます。

過去問をしっかり解いて復習しておき、もし知らない内容が出ても常識的な思考で正解できる可能性もありますが、「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」には目を通しておいたほうがよいでしょう。

需給統計

需給統計では、国土交通省が毎年発表する不動産や宅建業に関するデータに関すること(傾向)が出題されます。この需給統計については、毎年の傾向についてまとめてくれているサイト(「需給統計問題|宅建試験ドットコム」)があります。

「建築着工統計」「地価公示」「土地白書」についてはほぼ毎回出題されているとのことなので、試験日までに定期的に確認して内容を頭に入れておけば得点可能です。

土地の形質等、建物の構造等

それぞれ、土地の形質・地積・地目・種別等について、建物の形質・構造・種別等について出題されます。

土地の形質等、建物の構造等はいずれも専門的な内容が選択肢として出題されますが、土地の形質等については過去問の復習の他、次の選択肢の例のように常識の範囲で考えれば正解できるケースも多いです。

例(令和4年) 

低地は、一般に洪水や地震などに対して強く、防災的見地から住宅地として好ましい。

答え

× (洪水には強くはないだろう…と考えれば正解)

ただし、建物の構造等については過去問以外での専門的な知識がなければ正解できない場合があり得ます。特に独学の場合、過去問以外の範囲で詳しく勉強している人はおそらくいないと思いますので、ある意味「運」が必要となる問題かもしれません。

過去問学習がポイント

宅建試験の免除科目については、過去問で問われた点が出題されたら確実に正解できる程度の準備が必要です。

通常の試験科目だけでも大変なのに、免除科目も落とせないとなるときついと感じるかもしれませんが、基本的には過去問で対策が可能、需給統計も出る範囲がほぼわかっていると前向きに考えましょう。

※直近3年間の過去問については、下記のウェブサイトをご確認ください。(他にも過去問を多く掲載しているサイトはあります。)

一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験の概要 | 宅建試験の問題及び正解番号表

宅建試験

Posted by getter